横浜Fマリマスが来年度から練習場であるマリノスタウンを使えなくなるとのこと。それで、練習場所がなくなった下部組織の少年たちが大挙、しんよこフットボールパークに押し寄せて来るとのこと。
しんよこフットボールパークは特定の団体の専用競技場ではなく、広く市民に開かれた施設。人工芝のフルビッチでナイター付きという希少価値もあって、多くの市民がフットサルを楽しみ、草の根の市民クラブがチームの練習場所として活用し、時には大会会場として活用しています。
そのように市民が皆で分かち合いながら使っていた施設に「プロ組織だから優先利用よろしく」というマリノスの一声。その要請に対し、市当局は「プロチームの応援はスポーツ振興の一端」という理屈をつけて、マリノス下部組織の活動を無理矢理にねじ込んできました。事前の打診も相談も皆無の、紙一枚の通達です。
いきなり「来年度からこうなりますからよろしく」という利用スケジール表には、どこを見てもマリノス、マリノス、マリノスと書かれています。その結果、今まで使用していたのにマリノスに追い出されることになったチーム、組織がいくつも出ています。もちろん、決まった枠で定期利用をしていなくても、時間ができたらフットサルを...などと考えている一般利用者が使える枠などは、ほとんどなくなります。
特定の団体に優先利用させるために、長年、利用してきた人たちを有無を言わせずに紙一枚で追い出す。よくもそんな冷酷なことができるものです。追い出されたチーム、団体は次に使える施設の見込みもなく、活動場所に困って消滅してしまうこともあるでしょう。
これ、市当局の掲げるスポーツ振興といえるのでしょうか? 追い出されたチーム関係者はマリノスに対してどういう感情を抱くでしょう。応援しようなんて死んでも思わないですよね。
そもそも、この一連の呆れたごり押しの主体になっているのは、しんよこフットボールパークの運営をしている横浜サッカー協会。その市サッカー協会に運営を委託しているのが市体育協会。そして、市体育協会はJリーグの運営補助等でマリノスから結構なお金をもらっています。なんてことはない、一番上でサイフを握っているマリノスが「使わせろ」と言えば、またぞろオカネで縛られている「子請け」の市体協、「孫請け」の市サッカー協会がタテつくことはできないというわけです。
配布された通告文書には、市当局をはじめ関係各所の判断を仰ぎ、フットボールパーク管理者のヒアリングを経て決定...などと記載してありますが、お金の流れを巡るこうした力の構図を知っている者からすれば、そんなものは茶番に過ぎないことはバレバレなのです。
マリノスタウンの使用契約が今年度で切れることは契約時にわかっていたこと。それなのに何の手も打たず、策も講じず、無為に過ごした経営陣。これ、株式会社の業務として最悪の失態でしょう。経営責任は問われないのでしょうか? しかもその失態の埋め合わせは、何と一般市民を追い出して強引に場所を横取りすることとは...。経営能力としてはアホの極みといったレベルでしょうね。
地元の少年選手、アマチュア選手、サッカー愛好家のプレーの場所を横取りして育った選手を応援する市民なんていません。マリノスも市当局も、スポーツを振興させプロ組織を健全に運営するとはどういうことなのか、イロハのイからよく勉強する必用があるでしょう。