自分の頭で考える...スポーツも政治も

 老若男女、多くの人があのあのぶざまな様子を見たことと思います。
一応、形式上は取り決めの進行に従ってはいる。しかし、事実上、卑怯なだまし打ち。これ、真珠湾攻撃とまったく同じ。権力を持っていれば何でも自分の思い通りに強行してしまう。安倍晋三の行った愚行は東条英機と同じ。七十数年たっても何ら変わっていないということです、日本は。300万人の戦死者を出して、原爆を二発も落とされて、沖縄では4人に1人が殺されて、それでも懲りないんでしょうか。

 「アノ人、悪いクスリでもやってんじゃないの」とは我が毒舌娘の安倍評。大多数の国民が反対して、著名人、有識者、学者たちの多くが団結して反対を表明して、大多数の憲法学者が「違憲」と断じて、内閣法制局や裁判所や検察など過去に権力側で従事した経験者の多くも「違憲」だと忠告して、本来なら加勢するはずのバリバリの権力中枢だった自民党長老の大物政治家たちですら「ダメだ」と苦言を呈して、国会前には連日、大勢の人が詰めかけ「廃案」を呼びかけているのに...醜態をさらしてまて強行採決しようとする心理は、とても正常な神経ではないはず、という娘の分析はなかなか面白いと思いました。
 ともあれ、権力を持つと狂うのは人の常。ヒットラームッソリーニスターリンサダム・フセインカダフィ大佐、アサド大統領、キム・ジョンウン...。その意味では安倍ちゃんも同じ。問題は、権力にへつらうその他大勢の腰巾着たち。
 戦争中は強制的にニッボンバンザイ。しかし今は自由に考え、発言できる時代。ぞれでも自分の考えではなく「力関係」を見て行動を決める人たちがいるから困る。安倍ちゃんを筆頭に、鴻池なにがしやら、中谷ながしやら、表に出ててきてしどろもどろしている連中もさることながら、後方で起立してバンザイして勝ち誇った顔をしている「票数」でしかない輩、これが一番、醜い人間。ケンカしている強い奴の後ろで「やっちまえ」とかけ声だけ威勢のいいチンピラみたいなもの。
 あのように、自分の考えはともかく、私はツヨイ人についてききますよ、その時に主流である方に恥も外聞もなく平気でなびきますよ、という人間が世の中をダメにするのです。そういう人間をつくりだすことが世の中を狂った方向に暴走させるのです。 
 
 SEALDSの奥田君、あらゆる答弁、意見陳述の中で最もまともなことをいっていました。「政治家の皆さん、自分の頭で考えて下さい」。権力、利権、利害、そんなものをとっばらって、一人の人として考えれば、解釈改憲が間違っていること、アメリカの助っ人をすれば早晩、戦争に巻き込まれることは自明の理でしょう、と。
 さて、スホーツも「自分の頭で考える」ことは何よりも大切なことで、私の指導でもそれは常に強調していることです。誰がどうだ、人がどうだ、皆がこうしている、ということに流されることは最も卑下すべき事だと。プレーの瞬間、瞬間に自分の判断、決断を積み重ねていくことが「自分の頭で考える」訓練になるのだと。
 そう強調していても、私たちが子どもたちと指導で触れ合うのは一週間に数日、一回に2時間ほどです。その他の膨大な時間、子どもたちは家庭、学校、社会で「皆そうしている」「あの子もそうした」という」同調圧力に晒され、少数であることに恐れを抱く環境におかれます。自分の考えを磨くよりも、周囲の「空気」を読むことに敏感になります。
 そうした流れの果てに、あの強行採決の時、後方で「票数」になってバンザイしている議員のような人間が生まれるのでしょう。私は少なくともスポーツを経験した人間なら、あのように自分が何を考えているかにかからわず「ただの数」になることに甘んじるような人間にはなってほしくないと思っています。