U-17...やっばりね

U-17日本代表、結局ベスト16で敗退しました。
かつてないほど素晴らしいサッカーをしている。理想的なチームだ。U-17日本代表はどうしてあんなにいいチームなのですか...という質問をいろいろな方から随分とたくさん受けました。
私はこうこたえていました。「フル代表がAチームとするならオリンピック代表がB、ユース代表がC、だからあれはD代表のサッカーです。強豪国では子供扱い。強豪国がさほど心血を注いで強化はしていない年代ですから日本は子供のサッカーなら強い。強豪国ではあくまでフル代表W杯チームが勝負だと考えていますから、17~8歳で勝った、負けたということにはあまり大きな関心をいだかない。野球の甲子園大会でも全国高校サッカーでも、17~8歳の勝ち負けに大騒ぎしているのは日本くらいですよ」
 でも今回のU-17は凄い。圧倒的にポゼッションで上回って「自分たちのサッカー」をして勝っている。一気に優勝が狙えるんじゃないですか?と期待する方も随分といました。私はこう答えていました。「サッカーの勝負はシュートを入れたか入れないか。パス回しはその過程の一つにすぎません。日本人サッカー選手の課題は年代にかかわらず、得点を取る最後の場面と、得点を防ぐ最後の場面の精度と厳しさ。その二つの「ゴール前のプレー」が何より大事だとうことがわかっていないと思います。だから今回もどこかで、バスはすごくつながったけれど、相手よりいいサッカーはしていたのだけれど、という形で負けると思いますよ」
果たして私の予言通り、スウェーデンに屈しましたね。ボゼッション率75%、シュートも相手の約2倍を打っているのに。つまり、バスは圧倒的につながったけれども、日本人サッカー選手としての課題は一切何も、全然まったく、1cmも変わっていなかったということです。
体格で、フィジカルで、ゴール前に引かれて....という言い訳はもういいです。その課題は何もU-17ばかりでなく、成人してフル代表のW杯でさえずっとつきまとうのですから。というか、アジアに中東勢、オーストラリアが、世界に北欧、アフリカ勢がいる限り、絶対になくならない課題です。今後、日本人が平均185cmくらいデカくなれば別ですが(笑)。
日本の選手は年代にかかわらず、よく「自分たちのサッカー」といいます。それはポゼツションで上回り、自分たちのペースで試合を進めながらチャンスをつくっていく、ということらしいです。そのこと自体は否定はしませんが、では、その「自分たち」のペースがつくれなかった時にはどうするのか。そのイメージは誰にもまったくないようですね。ということは、日韓W杯でトルコに先制点をとられて「引かれて」何もできなかった時以来11年、まったく改善が進んでいないということでしょうかね。
目標のW杯ベスト4、ベスト8に進むまで、終始一貫「自分たちのサッカー」を貫き、ポゼツションで上回ながら圧倒するサッカーができると本気で考えているのでしょうか?そうであれば、今回のU-17のような顛末は、今後、何度も何度も繰り返されるでしょうね。