ケンカする価値もない

 4回前のこの欄で、小学生のチームが母校の高校のグラウンドで「試合をした」ことが咎められ、2ヶ月の使用停止というという前代未聞の処分を受けたことを報告しました。
 過去40年にわたって慣行されてきたことであり、現行の利用細則にもその由が記載されておらず、年度総会でも示唆されず、突然降って湧いたように「もともと禁止だったのです」と言い放つ理不尽さに呆れた私の同僚が「その件に関してきちんと学校として文書の提示を」と求めました。すると1ヶ月後、出てきましたよ、その「文書」が。

 校長名義で出されたその文書「施設開放の利用について」という題目です。内容を要約すると、学校側は「耐震工事のためグラウンドが狭くなっていたり工事車両の通路になっていて試合ができる状況ではないと考えている」とのこと。つまり、そうした学校の「考え」に反して試合をしたから2ヶ月使用禁止になったということになります。
 まず、グラウンドが狭かろうか広かろうが、使用を許可された範囲のスペースをルールに従いどのように使うかは利用者が判断することです。実際のグラウンドの広さは、小学1~4年生までの8対8の試合なら、軽~く4面はつくれる広さです。5~6年生の11対11でも2面は楽々つくれます。それが「試合に使用できる状況ではないと考える」とはどういう見識でしょう???。
 次に、工事車両うんぬんですが、私たちがグラウンドを借りる土日に工事が行われていた記憶はなく、グラウンド借用中に工事車両が往き来していた記憶もいっさいありません。つまり土日は基本的に工事は休みで、工事車両云々と子どもの試合の実施はまったく関係ありません。
 さて、とりあえず以上のような矛盾の指摘は胸に秘めて、学校側に質問してみました。「工事のため試合という形式が無理という主旨の文章ですが、そうなると通常の練習の中で行う試合形式の活動も禁止ということですか?」回答はこうでした「いや、練習で行う試合形式の活動は問題ありません」。
 .....はぁ?文面では「試合に使用できる状況ではない」と記載しておいで「それでは試合形式そのものがダメなのですね」というと「自チーム内で行うならいいです」ってどういうこと? 8対8、あるいは11対11という形式で、同じチーム内でやることは許すけど、一方が別のチームだったら「工事のためそれは適さない」ということ...!?
 もう良識ある方々なら、この学校の対応が自己矛盾に満ちたものであることがおわかりいただけるでしょう。こんな浅薄きわまりない説明を大の大人が平気な顔をして校長名で文書にするのですよ。こちらをバカにして子ども扱いしているのか、あるいはあちらのアタマが子どもレベルなのか?しかも、彼らはただの大人ではなく、教育機関の教職員、日頃センセーと呼ばれている人ですよ!!!教職員の質の低下もここに極まれり、という感じですね。
 規約、細則を勝手に拡大解釈し、「使わせているのはこっちだ」とばかりに、その場の感情で腹いせのように権力をふりかざす。その矛盾を論理的に指摘されると、ますます感情的になってその場しのぎで「実は」「本当は」と、とってつけたような新しい規則をつくりだして押しつける。論理的に追究されればされるほど、次々にボロを出し、その矛盾の繕いのためにまたぞろ強引な解釈で権威を押しつけてくる。文書で提示してというと、つっこみどころ満載の稚拙な作文を平気で出してくる。
 私はもうあ~あと脱力してしまい。ハイハイわかりましたよと、だだっ子に接するように大人しく帰ってきました(笑)。母校がこんな教職員で運営されているのかと思うと、後輩たちが不憫でなりません。なんだか私の在学中よりも偏差値なるものは少し上がったらしいのですが、校内ですれ違う後輩たちが飼い慣らされた羊のような子ばかりに見えるのは、気のせいでしょうかね...。