やはり考え、努力する人の勝ちだ

 なでしこジャバン快挙です。私も日産FCのコーチ時代に女子チームを任された経験があり、妻が初代のヨミウベレーザの選手だったという立場ですから、人ごとではありません。不遇の時代に女子選手たちがいかに苦労してプレー環境を確保していたかを熟知していますから、感激もひとしおです。
 決勝戦。一人ひとりの体格、運動能力で勝負したら、圧倒的に不利な試合。一度も勝ったことのない相手にどのようにして挑むのか.....。
 まともにぶつかりあったらはね飛ばされる。それなら、より細かく、より早く、より多く動けばいい。宮間さんの最初の同点ゴールは、彼女が足を止めずに走り続けていたからこそ、目前にバウンドしてきたボールを奪えたのです。

絶対に高さで勝てないなら、より速く相手の前に飛び込めばいい。澤さんの二度目の同点ゴールも、その肉体的不利を踏まえての工夫が結実しました。もちろん、狙った場所に寸分違わぬキックを送った宮間さんも見事!!!
 

そしてPK戦。GK海堀さんの足がギリギリの所で相手のキックを止めました。これ偶然ではありません。毎日、毎日、厳しいコースに蹴られるキックに懸命に反応する練習を繰り返しているからこそ、とっさの時に体が反応できるのです。時々力を抜くような姿勢で練習しいている選手であれば、あそこでは足が出ないのです。出たとしても、一瞬、遅れてしまうのです。あの時、あの場面のために、体をいじめるトレーニングがあるのです。

最後のPKキッカーとなった熊谷さん。キック直前にアップになった時の表情、ステキでしたね。極限の闘いの中で運命の一瞬に賭ける人の美しさを見ました。あの瞬間の熊谷さんの表情は、AKB48の誰よりもグッと来ましたよ!!!(笑)。
 サッカーが好きという一心で、仕事や学業との両立に懸命に努力している彼女たちの姿勢.....美味しい環境ばかり探して自分で限界をつくって弱音を吐いている男子に見習わせたい。かなわぬ相手にどうやって挑むのか.....工夫して考えて、それが発揮できる場面にものすごい集中力で体を張る彼女たちの姿勢、同じ失敗を繰り返して涼しい顔の男子に見習わせたい。