ひどい試合&最低の主審

 港北FCトップチーム、またやってしまいました。あっさりセットプレーで失点し、押せ押せで追い上げながら、相手のカウンターに、こちらのつまらないミスがものの見事に重なって2-3。連敗です。試合内容のひどさからすれば、監督の私、プロなら即刻クビですね。サポーターがいたとしたら、あらん限りのブーイン浴びたことでしょう。本当にひどい試合でした。
 さて、まずはこの敗戦が実力のいたらぬ結果だったことを認めた上で、その敗戦に痛い拍車をかけてくれた人のことを紹介しましょう。一年に一度は必ず出会う、あわれな生き物「裸の王様」のことです。今回の王様も、自分自身の裸の姿にすっかり酔っていました。

前日の電話確認から嫌な予感がしていました。「明日の主審よろしくお願いします」。まともな主審なら、普通は「了解です。こちらこそよろしくお願いします。ご確認ありがとうございました」でおわりです。しかし「え~と、グラウンドチェックの時間はどれくらいありますか」。「ええ?、グラウンドチェックといわれても、立派な人工芝でラインもきちんと描かれていますので」「いや、ゴールネットなどを確認したいので」....その他、どうでもいことをあれこれあれこれ.....。覚悟しました「確実にハズレ人事だ」
 当日、予感は的中。開口一番「ええっと、ここは担架はありますか」「ええっ、担架.....さぁ~?」「では、テクニカルエリアはどのように?」「はぁ?テクニカルエリアでかか....? っていうか、そもそも、まともなベンチそのものがないですけど....。ベンチがないのにどこにテクニカルエリアつくればいいんですか?」。隣で副審の人たちが苦笑。試合の段取りの打ち合わせ。「いいですか、用具チェックをするのに12時57分に集合して下さい」「はぁ57分?...細かいですね」「はい、57分です」
 グラウンドは2時間単位で入れ替えです。ハーフタイム10分、ロスタイムを含めた90分ゲームを行おうとすると、どうしても前の利用者との入れ替え後、すぐにキックオフをしなければなりません。しかしグラウンド周囲はコンクリートでまともなウォーミングアップができないため、キックオフ前になるべく時間を取ってピッチ内でボールを蹴る練習をさせる、というのが慣例になっています。
 その試合前のわずかな時間の練習に関して、副審の一人が「皆さん、ろくな練習ができていないのだから、サブも含めて全員でボールを蹴っていいことにしましょう」と提案。ナイスアイディア。しかし主審「いやダメです。先発メンバーだけです」。副審、苦笑。
 いざピッチに入場。しかし、ピッチは広々と空いているというのに、全員がライン際に立ったまま、動きません。主審が「まだまだ」と手で制してしています。ええっ....まだってなぜ...???ただでさえ、試合前のビッチ上の練習時間は短いのに。どうやら、コーナーフラッグがまだ立っていないから、という理由。バカバカしさの極地。「お~い、急いで立てろ」とゆっくりコーナーに向かっていたサブの選手に指示。ようやく選手入場。時間の大きなロス。いざGKのキャッチ練習をしようとしたら「ハイ、コート反対ですので入れ替わって」。慌てて逆サイドに移動して、3回キックしたらピピー「はーい、終わりです」ええ~何それ!!!
 試合が始まりました。ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、そして時にはピーーーーーーピーーーーーー(うるせ~よ聞こえてるよ)。まるで初めて笛を買ってもらった幼児のごとく、まあ吹く吹く吹く吹く。試合はその度にストップ、ストップ、ストップ。体が触ればピッ、倒れればビッ。スローインを少し前に進んで投げるとビッ「ポイントが違います」。フリーキックを蹴ればピッ「ポイントが違います」。ただでさえ笛でしばしばプレーが止まるのに、そのリスタートでも何度も止まる。お陰でゲームの流れメチャクチャ。ビッピ君の独自判定の発表会の様相。
 それでも、そのバカバカしさを通り越した杓子定規の石頭判定が終始一貫していたとしたなら、私はこのことをここに書くつもりはなかったでしょう。ところが、こういう「審判という権限を持った自分」に酔っている可愛そうな勘違い君ほど、小さなことにビッピ、ビッビと吹くくせに、最も重要な場面、例えば得点に直結するプレー、レッドカードやイエローカードに結びつくプレー、選手の危険予防の場面等に、適切な判断ができないものなのです。
 まさにその場面が訪れました。相手側のFK。ボールはポイントを外れて大きく転がっています。相手は素速いリスタートを狙ってその間違ったポイントからキック。当然、ここまで30cmのズレも許さなかったビッピ君の行動として、そんなズレた場所からのキックを許すわけがありません。「ポイントが大きくずれてますよ」我がチームの選手は何の疑いもなく足を止めます。普段「笛が鳴るまでプレーしろ」と言っている私自身も「やり直しでしょ」と何の疑いも抱きませんでした。
 しかし、驚いたことにピッビ君はプレーオンの合図。えええええ~。「お~い。これでいいのかよ!。これ、許されるのかよ!。さっきまでと基準、全然、違うだろ!!!」思わずベンチから怒鳴りました。怒鳴っている間にゴールイン。「何で????今のアリなの????」呆然とする我が選手たち。ビッピ君はそっぽを向いて「知らんもんね」といった涼しい顔。
 そういえば前半終了間際、我がチームのキャブテンが非常に危険なチャージで転倒させられたのに、イエローカードはおろか反則さえ取ってもらえなかった場面。苦悶して立ち上がれないキャブテンの治療にビッチインした時、ビッピ君をにらみ付けながら言ってやったのです「おい、スローインのポイントがズレている事なんか細かく取らなくていいから、こういう危険なプレーをきちんと判定しろよ!。選手生命にかかわることなんだぞ!!」
 通常、監督がこんな事、ビッチに入って直接言ったらダメです。杓子定規の石頭判定で言えば、私がイエローカードか、最悪、退席処分。しかしピッピ君。うつむいてましたね。図星を言われて何も反論できなかったんじゃないですか?。それを言われたからですかね、後半、先ほどの失点につながったFKの場面で大きくポイントがずれていてもOKにしたのは。しかし、その場面の後は再び30cm単位で神経質にポイントを指定していました。基準を一定させないアンフェアな判定が試合を決定づける場面につながったとういことで審判失格です。
 「今日の審判はやっかいなヤツだから、不服があってもぐっと自重しろ」と試合前に選手に指示した私。その私自身が後半、思わずピッピ君に向かって怒鳴りました「オイ!!!フェアーにやってくれよ!!!」。あらん限りの大声で二度、繰り返しました。もちろん、これもイエローか退席の対象。でもピッピ君、聞こえないふりしてましたね。そうでしょうよ。一番、心にグサリとくる言葉だったはずですから。
 

両チームにフェアーな環境を準備し、選手の安全を守り、サッカーのマナーを守るための黒子。そういう審判の役回りを忘れて、このピッピ君のように自分が主役になって、自分が一番注目を浴びたくてしかたがない人、ルールブックの条文を振りかざして威張り散らすことが快感という人は、本当に今すぐ審判をやめて欲しいものです。そして、そういう人は、今回のビッピ君のように、両チームの選手だけでなく、グラウンドを取り巻く全ての人々に心の中でバカにされている惨めな存在だということに、早く気がついてほしいものです。